予防歯科
予防歯科

「歯医者は、歯が痛くなってから行く場所」——そんなイメージを持っていませんか?もちろん、歯がしみる・痛む・腫れるなどの症状があれば、できるだけ早めに受診することがとても大切です。しかし、生涯を通してお口の健康を守るためには、症状が出てから治す“治療”だけでなく、病気を未然に防ぐ“予防”と良い状態を維持する“メンテナンス※”が欠かせません。イメージとしては、自動車の“車検”に近いものです。車も定期的に点検を受けることで、故障や重大なトラブルを防ぐことができます。お口の中も同じで、痛みなどのトラブルがない期間こそ、定期的な検査とメンテナンスがとても重要になります。むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。気づいたときには進行していたり、治療が大掛かりになったりすることも多い病気です。だからこそ、予防が何より大切なのです。また、歯を失う原因の約9割はむし歯と歯周病といわれています。裏を返せば、これらを予防できれば歯を守れる可能性が大きく高まるということ。むし歯も歯周病も、生活習慣やケアの工夫でしっかりコントロールできる病気です。治療よりも予防に取り組む方が、歯を守れるだけでなく、費用も時間も大きく節約できます。当院の予防歯科では、むし歯や歯周病にならないための定期検診、専門家によるクリーニング(PMTC)、歯ぐきの状態チェック、ブラッシング指導、フッ素塗布やシーラントなどを通して、お口全体を総合的にサポートします。
予防の目的は、単に「病気を防ぐこと」だけではありません。生涯ご自身の歯でおいしく食べ、笑顔で暮らし、毎日の生活の質(QOL)を高めること。さらに、お口の健康が心の安定や前向きさ、そして豊かな暮らしにつながる——そんな“ウェルビーイング”の向上を目指すこと。そのために、当院では痛みが出る前の“定期検診”を強くおすすめしています。
人生100年時代といわれる今、歯の健康は身体の健康だけでなく、心の健康にも深く関わります。「口は命の入り口、心の出口」。予防歯科を生活の一部として取り入れ、健口(けんこう)から健康、そして健幸へとつなげていきましょう。
※メンテナンス:むし歯・歯周病を再発させず、健康な口内環境を維持するための定期的なケア。
予防歯科の柱となるのは、ご自宅でのセルフケアと、歯科医院で行うプロフェッショナルケアの両立です。毎日の歯みがきは、お口の健康を守るための基本ですが、実際には歯と歯の隙間、歯ぐきの溝、奥歯の複雑な形など、どうしても磨き残しが発生してしまう部位が存在します。これは、歯並びや噛み合わせ、磨き癖など、個人による違いも大きく影響します。そのため、「毎日しっかり磨いているのに、むし歯になってしまう…」「気をつけているつもりなのに、歯ぐきが腫れやすい…」といったお悩みが起こることは、決して珍しいことではありません。そこで重要になるのが、専門家による定期的なプロフェッショナルケアです。歯科医院では、バイオフィルム(細菌の強固な膜。台所の三角コーナーにつくヌメリに例えられます)や、家庭では落とせない歯石を専用の器具で徹底的に除去できます。バイオフィルムは通常の歯みがきではほとんど落ちないため、専門的なクリーニングが不可欠です。さらに、プロのケアではただ汚れを取るだけではありません。
お口の状態を定期的にチェック、歯ぐきの炎症の有無の確認、むし歯や歯周病の早期発見、ブラッシング方法の確認・指導、といった総合的なサポートを受けることができます。こうしたクリーニングや検診を定期的に受けることで、お口の健康状態を良いまま長く維持しやすくなり、将来的な治療のリスクや負担を大幅に減らすことができます。セルフケアとプロフェッショナルケアの両立こそ、予防歯科の最大のポイントです。ご自身の大切な歯を守るために、ぜひ定期的なケアを習慣にしていきましょう。
プロフェッショナルケアでは、歯垢・歯石の除去をはじめ、口腔内の診査や歯みがき指導など、セルフケアでは届かない部分を専門的にケアします。
PMTC(プロによるクリーニング)
PMTCとは「Professional Mechanical Tooth(Teeth) Cleaning」の略で、専門家が専用の機器とペーストを使って歯を丁寧に磨き上げるクリーニングです。
毎日の歯みがきでは落としきれない汚れやバイオフィルムをしっかり除去し、汚れの再付着予防にもつながります。歯の表面がつるつるになり、爽快感も得られる人気のケアです。
スケーリング(歯石取り)
歯石は、プラーク(歯垢)が唾液中のカルシウムと結びついて固まったものです。表面がザラつくため、さらに汚れがつきやすく、歯周病の大きな原因になります。
歯科ではスケーラーという専用の器具を使い、歯の表面や歯周ポケットの中にこびりついた歯石や歯垢を徹底的に除去します。初期の歯周病(歯肉炎)の改善にも有効です。
フッ素塗布
フッ素塗布は小児歯科専用と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、成人のむし歯予防にも効果的です。
フッ素(フッ化物)にはその科学的特性から、「初期のむし歯を治す」「歯のエナメル質を強くする」「むし歯菌の活動を抑える」という効果が期待できます。
定期的なフッ素塗布で歯をコーティングすることによって、むし歯を予防します。3ヶ月に1度程度行うことが理想です。
一人ひとり歯並びも違いますし、歯みがきの仕方にも癖があります。ホームケアの指導では、各個人に合わせた歯みがきの方法や、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのホームケアをより効果的に行えるようにサポートいたします。
ブラッシング方法
むし歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢は丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。ブラッシングは、磨き残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧に磨くことが大切です。歯の表面を磨くときは、歯ブラシを直角に当てて小刻みに動かします(スクラッピング法)。歯と歯ぐきの溝は、歯ブラシを45度の角度に当てて小刻みに動かし、汚れを掻きだすようにします(バス法)。いずれも歯ブラシを小刻みに動かしながら、力を入れ過ぎないように注意しましょう。
デンタルフロス
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯の隙間に通して汚れを落とします。一方で、フロスの不適切な選択と誤った使用法により、歯ぐきを傷つけたり、詰め物やかぶせ物が取れてしまったりすることがあります。正しい使い方、正しいフロスの選択が大切です。わからないときは、一度ご相談ください。
歯間ブラシ
歯間ブラシは歯と歯の間の汚れを落とします。様々な太さの歯間ブラシがありますので、ご自分の歯に合ったものを選びましょう。前歯と奥歯で歯と歯のすき間が異なる場合は、それぞれ太さに合わせて使い分けます。ただし、適切な箇所へ、正しいサイズの選択、適切な使い方をしないと、歯ぐきを傷つけたり、歯と歯の隙間がますます広がってしまうことがあります。わからないときは、一度ご相談ください。
キシリトール
キシリトールはむし歯予防効果が実証されている天然甘味料で、厚生労働省から食品添加物として認可されているほか、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)もその効果を認めています。
キシリトールは、ミュータンス菌の増殖や歯垢の形成を部分的に抑える効果が期待でき、食後にキシリトール配合のガムなどを摂取することがむし歯予防に有効とされています。
ただし、摂り過ぎは、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。適量を守りましょう。
当院では3〜4ヶ月に一度の検診(健診)をおすすめしています。基礎疾患(糖尿病、高血圧症、骨粗鬆症、心疾患、腎疾患、肝疾患など)をお持ちの方や、妊婦さんなどは、歯周病や歯肉炎との関連も報告されていますので、1〜2ヶ月ごとの検診(健診)をおすすめしております。
はい、必要です。ご自身では取り切れない歯こうや歯石に対する専門的な口腔ケアが必要です。定期的なクリーニングをおすすめします。
はい、効果があります。乳歯や幼弱永久歯(生えたての弱い永久歯)は、むし歯にかかりやすくなります。そのためフッ素を塗ったり、歯の溝を予め塞いだりすることで、エナメル質の石灰化を促進(歯を強くする)させたり、むし歯菌の侵入を防いだりすることができます。子どもの歯に対して、非常に効果的です。永久歯は、一生使う歯です。子どものうちからしっかりケアしていくことで、一緒に健康を守っていきましょう。
はい、減らすことができます。歯科の治療費は、かぶせ物や入れ歯などの人工物が一番費用がかかります。材料費のほかに、歯科技工料(歯科技工士・かぶせ物や入れ歯を作る専門家による製作料)がかかるためです。ところが、予防歯科でご自身の歯に大きなトラブルがなければ、お口の健康を保つための費用としてのクリーニングの費用のみで済みます。さらに、費用だけでなく、通院回数や治療期間も大幅に減らすことができます。ご自身の歯に勝るものはありません。定期的なメンテナンスを強くおすすめします。「口は命の入り口、心の出口」。予防歯科で、健口から健康、そして健幸へとつなげていきましょう!
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